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外付けブラブラはやめましょう

 夏山シーズン、自分たちのスケジュールで動けるテント泊はとても魅力的だと思います。ひと昔と違って予約が必要なテン場がほとんどになってしまいましたが、他人に煩わされることのないマイスペースを確保でき、自然と一体になれるテントでの山行は、小屋どまりと違った楽しさがありますね。

 さて、私が常々気になっているのが、ザックの外付けの多さ。ザックに入りきらない、入れにくいテントマットやストックはまだしも、特に目につくのが「ぶらぶらさせているもの」。突出して多いのが、コップとゴミ袋です。あ、サンダルも多いですね。

 コップを外付けするのは、よっぽど美味しい湧き水が道中にあって、一刻も早くコップで汲んで飲みたいからでしょうか。違いますよね。単なるファッションですよね。外付けにしたら、コップは泥や土で汚れるし、落ちたら迷惑なゴミになるだけですし、カランカランと終日うるさいのですが、それを越える何かメリットがありますか? ここまで書くと、もう皆さまお分かりと思いますが、私はコップの外付けに全く良い感情を持っておりません。

 そもそもザックの外付けが良くないことは、皆さんご存知だと思います。何かにひっかかりそれが原因で転倒・滑落する可能性、落として自然に戻らないゴミにする可能性、ザックの左右バランスが崩れて疲れやすくなり、それが事故になる可能性、など言われています(参照⇒https://yamahack.com/3559)。

 コップに比べるとまだ理解できるのが、ゴミの外付けです。汚れて汚いものが入っているから、綺麗なものに接触させたくない、臭いをつけたくない、だから外付けする。その点は理解できます。でもその感情を持っているのは、あなただけでなく、他の登山者もですよ。ましてや他人のゴミです。そんなものを近くで振り回されたら迷惑以外の何物でもないですよね。少なくとも、スーパーのゴミ袋に入れるのはやめましょう。最近はコスト削減もあって、ゴミ袋も非常に弱い薄い素材で作られていることが多いです。少し尖ったものが入っているだけで破けます。強い力がかかれば裂けます。もしそれでゴミが散らかった場合、何一つ漏れなく拾いますか?拾えますか? 動物に与える影響も心配です。熊なんかは間違いなく、これで人間の美味しい味を覚えるでしょう。

 スーパーの袋をジップロックに替えて、何なら二重にすれば、臭いの問題も破れの問題も解決します。私の山の先輩は、α米の食べ終わったあとの袋にゴミを押し込んで、それをジップロックに入れていました。そうすると、ゴミがコンパクトになるメリットがあります。

 私はα米を食べることが少ないので、これまで二重ジップロックで対応していましたが、5月に屋久島に行く際、試しに右のような「ガベッジバック」を使ってみることにしたのです。存在は知っていたのですが、モ〇ベ〇ではこれが2000円もするので、ちょっと躊躇していたのです。ですが、この右のものは、ダ〇ソーで購入したもので、確か300円だったと思います。お試し価格としては最高です。書いてあるように防水だし、生地も厚いので、小動物・虫類の侵入や破壊も防ぐことができます。

 屋久島の生活で出た生ごみは巨大蟻に食われる恐れがあったため、このバックはとても有効でした。ザックがパンパンだったので中に入れられず外付けしましたが、ブラブラしないように、スリングや別購入のラバーバンドで固定。中のゴミはある程度圧縮できるので、3泊4日の山行でも容量には余裕がありました。臭いもしないし、水も漏れてこないし、めちゃくちゃ快適で、すっかり気に入ってしまいました。多少重さがあり少しだけかさばりますが、ゴミとそうでないものをしっかり切り分けられます。どうしてこんなお便利グッズをみんな使わないのだろうと不思議でなりません。全国のテントユーザーが買い占めてもおかしくないと思うのですが、何かデメリットがありますか?

 

 とにもかくにも、「外付けブラブラ」をやめて、スマートな登山者を目指しませんか?