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講習・検定、また検定

今私は、日本山岳ガイド協会の「登山ガイドステージⅠ」というガイド資格を持っています。同協会の規定によると、ステージⅠでは、高山の雪山にお客様を案内する仕事はできないことになっています。そこでこれまで雪山の企画をするときには、「ステージⅡ」の資格を持っているガイドに案内をしてもらい(実際は、その理由だけではないのですが)、私は手話通訳兼サブガイドという立場で同行していました。

 

 しかしガイドの仕事をする機会が増えてくるにつれ、これでは何かと不便だなと思うようになってきて、自分も「ステージⅡ」の資格を取ろうと思い立ったのが去年のこと。ところが、ちょっとした馬鹿なミスをして、去年は試験をすべて受けられず、雪山シーズンが終わってしまいました。

 

 そして今年再チャレンジすることになったのですが。コロナのことで、ガイドの仕事もあまりないこの機会にいろいろ研修やら検定やら受けようと思ったのが何かの間違いで、この2~3月の2か月間、このうえなく忙しいシーズンになってしまいました。

 

 まずは、「等高線」でもお世話になっている、山岳専門気象予報士の猪熊隆之さんに教えていただく、雪山の気象講座に参加するため、2月上旬は鳥取県側の氷ノ山へ。朝からの講習のため、前日道の駅泊で行くという、ちょっぴりハードスケジュール。道の駅泊は何度か経験がありますが、一人で泊まるのは初めて。人気がないのが安全なのかそうでないのか、とにかくドキドキして、そして寒さで良く眠れず講習当日を迎えました。でも、こちらは講習なので、和気あいあい、前年の検定で仲良くさせてもらった大山プロガイド協会の方々にも再会できて、実りある2日間になりました。

 その講習が終わった翌週末は、ステージⅡの検定1回目を受けるために群馬へ。そもそも奈良から群馬って遠い。新幹線でいけば、比較的早く行けるかもしれないのですが、できるだけ出費は減らしたい。ということでいろいろ考え、京都から夜行バスに乗って群馬入り。全く地理が分からないなか無事に試験会場のある土合に到着。土合では、ゲストハウスのような気さくな雰囲気の宿にお世話になりました。今回は講習でなく検定、それも厳しい検定なので、終始緊張しっぱなし。ほかの受験者と宿が違うので仲間もできず、一人ぼっちで不安と緊張に立ち向かうストレスフルな3日間でした。宿のオーナーには、いろいろ愚痴を聞いてもらって有難かった! 

 そして、その翌週は、滑り止めで申し込んだステージⅡの検定2回目を受けるため長野へ。こちらも、出費を抑えるため、長野まで夜行バス移動。今季2回目の高速バス、いつものバス停ね♪、とのんびり構えていたら、なんと、出発の京都駅でバス停を間違えてしまうという大ポカをやってしまったのです。どういうことかというと、京都駅をご存知の方なら想像できましょう。八条口から烏丸口へ、重いザック背負いキャリーケースをひいて、わずか4分で南北自由通路を猛ダッシュして移動することになってしまったのです。やばい!間に合わないかも?と心臓バクバクでした。油断禁物❢❢

 長野では、検定期間中はなんと、群馬で一緒に検定を受けた方と同室になって、そしてまたもや大山プロガイド協会の皆さんのアットホームな雰囲気に見守られて、なんとか穏やかに過ごすことができました。また長野滞在は結局4日間だったのですが、半分はガイド協会の仲間の家に泊めさせてもらえて、またその気遣いの有難かったこと! 人との繋がりや仲間の大切さを身に染みて感じた長野滞在になりました。

 合算すると、ほぼ半月くらい家を空けていたことになり、さすがの私も今燃え尽き症候群、放心状態になっています。もうこんなハードスケジュールはこりごりです(笑)。

 どうかどうか、この半月の努力と頑張りが、吉報となってやってきますように! 

 

長野滞在中に私を癒してくれた、あずきちゃん。
長野滞在中に私を癒してくれた、あずきちゃん。