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無線

自粛期間中「断捨離」をしていたら、こんなものが出てきました。

 

これは、モールス符号(信号)の暗記メモです。

 

私は2012年に、所属する山岳会が主催する、アルパインクライマーを育てる登山学校を修了しました。学校では約7カ月にわたり、集中的にアルパインクライミングの基礎を教わります。

習い事というのは何事もそうだと思いますが、教わる一方ではなかなか自分のものにはならず、誰かに教えて初めて、教わった意味や内容が理解できるものです。この登山学校でも、修了した翌年はスタッフになり、新しく入ってきた生徒さんをサポートしつつ、習ったことのブラッシュアップをしていきます。

このときに、アマチュア無線免許を取るように勧められます。

今でこそ携帯電話の通じる山が増えている日本ですが、そうは言っても、アルパインクライミングで行くような場所は本来、人が簡単に立ち入れない場所だったりします。そのため、事故が起きた時に外部に救助要請のできる手段が無線しかなかったりするのです。無線を使うには、総務省が実施する試験を受けて合格し免許を取得したあと、無線局を開局する許可を受けなければなりません。(無線局を開局すると、自分用の「コールサイン」が割り当てられます)

 

スタッフになったすぐの春に私は馬鹿なことにクライミングで足を骨折し、そのほとんどの期間、全くクライミングができない状態になってしまいます。同期の仲間に迷惑をかけるだけの登れない自分にできる仕事の一つが、本部要員でした。本部要員は、遠征山行に行ったときに、登っているパーティの状況を把握し、何かあったときには外部に連絡を中継したりする、いわば、「対策本部」的な仕事を担います。そのときに無線は絶対必要です。

 

山に行けず時間のあった私は、皆が一般的に取る4級でなく、その1ランク上の3級に挑戦することにしました。3級になると、モールス符号を覚えなければなりません。

「モールス符号を覚えれば、音声語が分からない海外とも通信できる!なんて素晴らしい!将来、海外の山に行ったときに使えるかも?」なんて単純なことを考えて、挑戦してみることにしました。

 

とりあえず試験で出てくるこれだけの内容を覚えなければなりません。

物事を覚えるときには頭(脳)と一緒に体を動かしたほうが覚えられるといいます。そこで、昔エレクトーンを習っていた私は(関係あるのかないのか分かりませんが(笑))「・(トン)」と「ー(ツー)」を右手左手に分け、鍵盤を押すようにリズミカルに動かして覚えることにしました。そのときに使ったメモがこれです。

 

幸い試験は通り、今は3級のアマチュア無線免許を持っています。

が、手話や外国語と同じ、モールス符号も言語のようなものですから、使わないと忘れてしまいます。

いまや覚えてできるコールは、「SOS」だけ。。。

 

もし次に自粛期間がきたら、モールス符号の復習と、無線の使い方を真剣に勉強することにします。